FILE: founder.letter · STATUS: OPEN · 2026.07
話が、変わる。
いま、課題の前で立ち止まっている、あなたへ。
§00 — FILE: founder.ch00 · 約2分
「話がわかる」から、「話が、変わる」へ。
「話がわかる開発会社」——設立から15年、私たちが掲げてきたこの看板を、私は自分で下ろします。
空気が読めるとか、対応が丁寧だとか、そういう意味ではありません。「作ってほしい」という依頼の前には、必ず「作らなければいけない理由」がある。FOX HOUNDとは、クライアントのIT部門のように、その「なぜ」まで一緒に背負う、ビジネスに精通したエンジニア集団です。「やってみないと解らない」を「やらずとも解る」に変える——そこまで分かろうとすることが、私たちにとっての「わかる」でした。仲間も、その一心で集めてきた。これがやりすぎ(OVER KILL)の原点です。
看板を下ろすのは、その「わかる」を捨てたからではありません。逆です。AIが機能を吐き出すコストが、限りなくゼロに近づきました。「なぜ作るのか」を整理することも、業界の常識を補うことも、要件をきれいに定義することも、いまや数分の作業です。つまり、「わかるだけ」の価値が、同じ速度でゼロに近づいている。——断っておきますが、中身(理由まで背負う姿勢)は、15年前と何も変えていません。値が下がったのは、“わかる”で立ち止まることの方です。
だから、看板を架け替えます。「話がわかる」から、「話が、変わる」へ。やりすぎを、もっと前に——お客様の事業の話そのものが変わるところまで、押し出す組織へ。この手紙は、その宣言です。
「わかる」だけの会社に、もう値段はつかない。
§01 — FILE: founder.ch01 · 約2分
なぜ、私はこの手紙を書くのか。
きれいな会社紹介を、私はあまり信じていません。本当に伝えたいことは、たいてい角が取れて消えてしまうからです。
多くの開発は、要件定義でゴールを決めます。でもそれは、お客様が言葉にできた範囲に、課題を閉じ込める行為でもある。私たちはその外側から始めます。10の要求に、平気で20でも30でも返す。安売りではありません。ゴールから逆算したとき、それが唯一の正解だからです。
少し、最近の話をさせてください。AIの時代に入ってから、私は経営のかたわらでAIを研究し、自分でもプロダクトを作り始めました。どうせ作るなら、誰かに見せたい。あるとき、プロダクトの提案を求めて来られた会社へ、私自身が直接プレゼンすると立候補しました。
お見せしたのは、人が思わず息をのむ——やりすぎたプロダクトです。中身は、正直その会社の業界とは直接関係ありませんでした。それでも皆さん身を乗り出して、「すごい」と笑ってくれた。あの笑顔を見たとき、改めて思ったんです。エンジニアの存在意義は、「すごい」と笑ってもらい、その人の中に“次にやりたいこと”が芽生えること——だと。結局、ご発注までいただきました。
私たちはこれをOVER KILLと呼んでいます。やりすぎが、ちょうどいい。これが、開発会社のあるべき姿だと確信しています。15年やってきて、これ以上に正直な姿勢はありません。
やりすぎが、ちょうどいい。
§02 — FILE: founder.ch02 · 約2分
伴走は、しない。少し前で、先陣を切る。
「伴走します」と書く会社を、私は信じません。伴走とは、少し後ろにいるということです。困ってから相談に乗るだけなら、いまはAIで足ります。
だから私たちは、先に調べ、先に報告します。困るかもしれないこと、勝機があるかもしれないことを、それが起きる前にあなたの机へ持っていく。お付き合いが始まる前から、御社の業界・市場・競合・現場のオペレーションまで、ときに100ページ規模で調べ上げます。受注の前に、です。それが私たちにとっての「先陣を切る」の意味です。
要件定義で決めたものは、私たちにとって最低ラインにすぎません。その上にどれだけ積めるか——そこだけが、お金をいただく理由だと思っています。
たとえば、あるプラントエンジニアリングの会社から「現場の暗黙知を、形式知に変えたい」という相談をいただいたとき。まだ一度、打ち合わせで話を伺っただけの段階でした。それでも私たちは、その会社の調査はもちろん、業界の構造、競合、形式知化の研究や既存の製品、最新の論文、そして現場のドメイン知識まで——100ページの“教科書”にまとめ、営業も含めた全員で、本気で学びました。
その熱量が伝わったかは、分かりません。「ここまでやっている」と自慢したいわけでもない。ただ、これが私たちの“標準”だ、というだけです。
困ってからの相談相手なら、AIで足りる。
§03 — FILE: founder.ch03 · 約2分
仕様書より、動くものを。
日本語で書いた仕様書から完成形を正しく想像できるのは、作る側の専門家だけです。だから私たちは、仕様書を読み合うより先に、動くものを出します。
触れば、「思っていたのと違う」は一瞬で分かる。読んで気づけないズレを、触って潰す。AIの力で、その「最初の動くもの」が出るまでの時間は、もう数日の世界に入りました。
こんなことがありました。ふつう、最初の打ち合わせに出てくるのは、ITがある程度わかる担当者だけです。でも、その場で動くプロトタイプを出すと——先方は決まって、現場で実際に操作する人を呼んでくれる。担当者さえ知らなかった「本当はこうしたい」が、そこで初めて出てきます。
うれしいのは、その現場の方の受け取り方が変わる瞬間です。システムは普通、「入力させられる、増える仕事」だと身構えられます。それが、触るうちに「自分の仕事をラクにしてくれる味方」に変わっていく。最初は警戒していた人が、自分から使い方を提案してくれる。そこに立ち会えることが、私たちの醍醐味です。
そしてもう一つ。3か月もすれば、市場も技術も前提も変わります。だから完成像を真ん中に置いて、何度も対話する。細かい判断をお客様に丸投げするのは、二流の責任逃れです。私たちはまず提案を出し、YESかNOで答えていただける状態を、常に目指します。
「やらされる作業」が、「味方」に変わる。
§04 — FILE: founder.ch04 · 約2分
AIは、語る対象じゃない。作る対象だ。
ここが、いま一番言いたいことです。システム開発ひと筋でやってきた私たちが、2026年7月、AIコンサルティングを始めました。新参です。だからこそ、はっきり言わせてください。
「情報の優位性」を盾に、ただのAIニュース好きがコンサルタントを名乗る——そんな契約を、最近よく見かけます。でも、いまAI時代を牽引しているトップのほとんどは、研究者かエンジニアです。現役で通用しない人間に、AIの本質は語れない。
AIネイティブ企業への転換には、アドバイスに必ず「利益」が伴わなければならない。だから私たちのAIコンサルティングの最初の仕事は、いただく契約料を、短期間で自分で相殺するプランを出すことです。語るだけならAIで十分。私たちは、作って、効かせます。
そして、作って終わりにもしません。AIは、仕事は肩代わりできても、“学習”は肩代わりできない。だから私たちは、使うほど御社の判断が資産として残る形で作ります——その話は、事業内容で。
最初の仕事は、いただく契約料を、自分で稼ぐことです。
§05 — FILE: founder.ch05 · 約1分
だから、話が変わる。
FOX HOUND——猟犬は、獲物を最後まで追い詰めます。私たちにとっての獲物は、お客様の課題です。
私が好きな言葉に、ピカソの「探し求めない、見出すのだ(I do not seek, I find.)」があります。探している暇があったら、見つけにいく。設立から15年、100名、東京と福岡。リピート率がほぼ100%でやってこられたのは、たぶんこの愚直さだけが理由です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。もしあなたが、いま課題の前で立ち止まっているなら——その課題の、外側から始めさせてください。きっと、話が変わります。